ヒトリゴト
ビバ ビレッジバンガード
名古屋にあるヴィレッジヴァンガードの本店が閉店したと知りました。
今は一宮市で工務店をやっていますが、僕の地元は名古屋市です。学生時代は同級生の齋藤と、よくあの本店へ通い詰めていました。
店内に溢れるガチャガチャとした熱量、手書きPOPの面白さ。10代の多感な時期に、あの空間から受けた影響は計り知れません。
実は今でも、引き渡し直前の綺麗なお家より、ご家族が何年か暮らして「生活の味や温かみ」が出てきたお家を見るほうが好きだったりします。モノや思い出がぎゅっと詰まった空間に愛着を感じる原点は、あのお店にあったのかもしれません。
当時買った本で今手元にあるのは『AKIRA』と『ナウシカ』くらいになってしまいましたが、あの店で出合った本や漫画の思い出は、今も大切な宝物です。
齋藤の家があった当時の今池も、飲み屋街と住宅が混ざり合った、どこかヴィレッジヴァンガードの店内のようなごちゃごちゃとした愛すべき街でした。お店のニュースを見ながら、ふと当時の街並みと齋藤の顔が浮かびます。
今夜は久しぶりに、齋藤に連絡してみようかと思います。
大好評につき再度開催 建築現場見学会
加藤氏の友人・射場です。
「想いが宿る」、大袈裟かもしれませんが「魂が宿る」といった作品に出会ったことはありますか?
はじめてサルバドール・ダリの作品を目にしたとき「絵画に宿った魂」に触れて呆然と立ち尽くしたことがあります。
そして、同じような衝撃を加藤氏の手掛けるカモノハシコウムテンの家でも感じます。
息が止まるというのか、体中がしびれるというのか。不思議な感覚です。
例えば一つの作品を見るのにも、その作品の「背景」を知ると益々その作品を愉しむことができるよう、家も完成見学会だけではなく造られていく「背景」「過程」を知ることによって、出来上がった家を観た時の印象が更に良くなるということがあります。
先日著名な本に掲載いただいたからか、カモノハシコウムテンの家は完成だけではなく建築中にも多くの方がお越しいただきます。先月も建築現場見学会を開催したところ、多くの方が来られました。とても大盛況だったのと、わたし自身が見たいこともあって加藤氏にわがままを言って再度建築現場見学会を開催してもらうことになりました。
建築に関しては国宝級なのですが営業戦闘力は皆無の加藤氏。家が好きすぎてそれ以外の能力をすべてそぎ落とした結果でしょうか。是非貴重な子の機会に、みなさまもカモノハシコウムテンの手掛ける家を観て感じてください。きっと痺れますよ。
隠れてしまうからこそ美しく。構造現場見学会は「美しさのおすそ分け」
構造現場見学会は、工務店の確かな技術力や気密性、そして職人の手仕事による「隠れてしまう下地の美しさ」をおすそ分けする場だとぼくは思っています。
カモノハシコウムテンでは、良い家づくりには美しい構造下地が不可欠であると考えています。ぼくが現場での打ち合わせを密に行うのも、この美しい下地をお客さんと一緒に楽しみたい、という理由があるからかもしれません。(実際は、主に僕がニヤニヤしながら見惚れているだけかもしれませんが)
現場は日々進んでいく「生き物」だからこそ、その時々にしか見られない特別な価値があります。私たちの誇る構造美を実際に見てみたい方は、いつでもウェルカムですので、どうぞお気軽にご連絡ください。
古民家改修の物件、工務店視察会を開催しました
愛知県一宮市を中心に注文住宅の新築・リノベーション、店舗の設計と施工を担うアーキテクトビルダーカモノハシコウムテン加藤氏の友人射場です。
わたしは全国の工務店とお付き合いがあり、いつもカモノハシコウムテン加藤氏には工務店に対しての「先生」をしていただいているのですが、4月お引渡し前の物件にて工務店を対象とした視察会を開催させていただきました。今回も愛知・岐阜・三重の東海三県からだけではなく大阪、滋賀という遠くからもたくさんの工務店・設計事務所の方にお越しいただきました。その数なんと約40名。
カモノハシコウムテンの視察会は人気企画でして告知をして当日予約枠が埋まり、急遽参加枠を増やした次第です。また、今回は「古民家改修」ということもあり、「カモノハシコウムテンが古民家改修を手掛けるとどうなるんだろう?」ということも家づくりのプロたちは気になったのだと思います。
住宅づくりのプロたちがこれからの自社の住宅レベルを向上させるために加藤氏の話を真剣に聞いています。この日はお施主様もお越しいただき、お施主様自らがおうちの話もしてくださいました。
古民家改修はただ「家を快適にする」だけではなく、耐震性や断熱性も向上させていくというかなり高度な知識と技術が要されます。そして一番大切なことは「100年前の大工との対話」をしながら手を加えていく必要があるということ。これは「大工の知見がある建築家」しかできない仕事です。正直壊して新築を建て直したほうが手間はかからないのかと思います。今回の物件もカモノハシコウムテンでは「使われている木材を洗浄して違う場所に活かす」や「既存の戸に木を加えて高さを増し使いやすくする」という工夫が髄所になされていました。ただ、これも「住まい手の想い」を大切にするからこそ。
「効率」や「損得」はもちろん大切ですが、我々は人間です。「想い」や「願い」といった「見えないこと」も大切にしていきたい、そうすることが人生の豊かさに繋がっていくのかもしれません。今回わたしはお施主様がとても羨ましかったです。なぜなら「おじいちゃんの家に住みたい」と言ったお施主様の想いを叶えるために加藤氏はいろんな古民家や歴史ある建物を見に行き学んでいました。「旅行」ではなく本当に「学ぶため」お施主様以上にこの物件をよりよく残せるために労を惜しまず今回のお仕事に向き合っている姿はプロとして、そして何より人としてとても美しく、「こんな人に自分の家を手掛けてほしい」と心から思いました。
カモノハシコウムテンの家は一般の方が見ると「魂を揺さぶられる」と言っても大袈裟ではないかと思います。そしてプロが見ると「自信を無くす」かと思います。実際に今回参加された工務店のほとんどが「自分はカモノハシコウムテンに比べたらまだまだだ」と言っていました。その空気感、素材感、デザインは実際に観ないとわからないかと思います。おそらく次回は8月?には見学できる現場があります。それまでにも建築中の現場を観ることもできるかと思いますので、是非みなさん生きているうちに一度はカモノハシコウムテンの家を観てみてください。きっと価値観が変わりますよ。
改めまして、今回も多くの工務店に講師をして余すことなく自社のノウハウを教えてくださった加藤氏、ご協力いただいたお施主様、そして参加いただいた工務店のみなさん本当に有難うございました。
20年の大工人生がくれた『ご褒美』
庭山さん、ドムスさんからのご紹介で、築120年の古民家に出会った。
このような建築を前にした時、私たちのような大工工務店であれば誰もが、「次の世代へ、正しい形でこの建築の価値を残したい」と強く願うはずだ。 ただ、よくある古民家カフェ風に、見た目だけを綺麗にする表面的な改修では意味がない。日々を営む「住宅」である以上、温熱環境や構造から根本的に見直す本物の改修をしなければ、やる価値がないと考えている。
その確固たる基準を持つため、まずは桃李舎さんに「限界耐力計算」を依頼し、構造の安全性を数値として徹底的に担保することからスタートした。
解体工事も、重機で一気に壊すようなことはしない。 120年間この家を支えてきた部材に敬意を払い、すべて職人の手による「手壊し」で行った。
今回の現場は、あらためて「職人の手助けがあってこそ、本物の家造りができる」という事実を再認識させてくれる場となった。
現代ではめっきり減ってしまった、竹を組み、泥を塗り重ねる伝統的な「土壁施工」。 こうした残すべき伝統技術を次の世代へ継承していくことも、私たち大工工務店の重要な使命だと確信している。
ただし、古民家改修において「伝統の継承」だけで終わってしまっては、本当の意味で住み継がれる家にはならない。現代の暮らしに耐えうる「確かな耐震性」と、快適に暮らすための「圧倒的な温熱性能(気密・断熱)」を高い基準で両立させることが不可欠だ。
古民家改修は、決して簡単な工事ではない。 新築以上の手間、職人の高い技術、そして相応の予算が必要になる。
だからこそ、このプロジェクトを成し遂げるためには、私たち工務店の覚悟だけでなく、「この歴史ある家を、何としても残して住み継ぐのだ」というお施主様の強い意気込みと、深い信頼関係が不可欠であると思う。
お施主様の揺るぎない想いと、それに応えた職人たちのこだわり。 すべてが噛み合って、この家はまた次の100年を生きる命を宿した。
正直、本当に大変な現場だった。しかし、大工を20年続けてきたことへの「ご褒美」として、このプロジェクトをやらせてもらったのだと、今ひしひしと感じている。
この残すべき建築に命を吹き込めたのは、お施主様の覚悟と、力を尽くしてくれたすべての職人さんたちのおかげだ。
関わってくれたすべての人たちに、心から感謝したい。 この経験を大きな糧にして、これからもブレずに、本物の家造りと真摯に向き合っていきたい。


















