ヒトリゴト

2026-03-16 17:08:00

息子とアニメの話から、ふと考えたこと

先日、小学生の息子と「今どのアニメが一番面白いか」という話になりました。

私は、あのゆったりした空気感の『葬送のフリーレン』が好きなんですけど、息子は『呪術廻戦』のすごさを熱く力説してくれました。

そんな何気ない親子の会話をしながら、ふと考えたことがあります。

 

「人は何をきっかけに、何かを好きになったり、美しいと感じたりするようになるんだろう」

 

私は名古屋の出身なのですが、子供の頃の遊び場といえば、豊かな自然というよりは、高架下のコンクリートの壁や、マンションの隙間にある空き地でした。

大人になって建築の仕事をするようになり、自分が惹かれるものを見つめ直してみると、きれいに整った既製品よりも、コンクリートのひび割れた質感や、ちょっと無骨な木の仕上げに心が動くことに気づきました。

これってきっと、子供の頃に見て、触れて、毎日を過ごした街の風景が、私の感性の根っこにあるからなんだと思います。

そう思うと、子供にとって一番身近な「家の中」が与える影響って、私たちが思っている以上に大きいんじゃないかなと

もちろん「高性能住宅」を造ることは当たり前だと思っています。冬暖かくて夏涼しい、家族が安全に暮らせるというのは、最低限の誠実さだと思っているからです。

でも、数値さえ良ければそれでいい、とはどうしても思えません。

職人が一生懸命に塗った土壁の、ちょっとした凹凸。

年月が経つほどに色が変わっていく、無垢の木の手触り。

夕方、光が差し込んだ時の部屋の陰影。

 

こういう「本物」の質感に毎日触れて育つことは、言葉で教えるよりもずっと深く、子供たちの感性を豊かにしてくれる気がしています。

家は、ただ雨風をしのげればいい「箱」ではありません。 何十年か経って、息子が大人になった時。

ふとした瞬間に、実家の壁の感触や、柱につけてしまった傷を思い出して、「あの空間、なんか良かったな」と心が温かくなる。 

便利さや効率も大事ですが、もっと根っこのところにある、大切なもの。

 

カモノハシコウムテンは、そんな想いを一棟一棟に込めて、これからも丁寧に向き合っていきたいと思っています。

皆さんがお子様に「残してあげたい風景」は、どんなものですか? そんなお話を、またゆっくり聞かせていただけたら嬉しいです。